美しい桜とそれなりの桜
昔のフィルムのCMで「美人を撮るとより美しくなり、不美人を撮るとそれなりに写る」ってのがありましたね。
そのCMに出ていたのは伊豆出身のタレントさんでした。
ここ数年、デジタル一眼レフで撮影しているかたが多くなってきました。
せっかくいいカメラを持ってこられたので美しい河津桜を撮っていただきたいのですが、対象物が悪くては「それなり」の画像になってしまいます。
今日もある地方テレビ局が撮影に来ていて、河津桜を接写していたんですが、「美しくない桜」を一生懸命撮ってたんです。
見るに見かねて次のようにアドバイスしました。
「花の中心が紅くなっている花じゃなくて、白いのを撮らなくっちゃ」
スタッフは???って感じでそのまま撮影を続けてました。
美しい桜を理解していないのでしかたありません。
さて、どういう桜が美しいかというと、
開いたばかりの花
なのです。
開花したばかりの河津桜は、花びらの外側が少し濃いピンク色で、内側にかけてピンクが薄くなっています。
これが美しさの大きな特徴で、全体べたっと濃いピンクのカンヒザクラなどに比べて気品を漂わせています。
この時花の中心の花糸(雄しべ)は白色です。
花の中心が白く全体的にみずみずしい
さて開花から3-4日この状態が続いた後、花糸が赤く変色します。
この状態になると、花びら全体が白く褪せて、みずみずしさも失われてます。
花としての役目を終え、花粉を運んできてくれる虫やメジロに美しさを見せる必要が無くなるからです。
花の中心が赤くなっており、これから散っていきます
満開ですが、美しさのピークは4-5日前の6分咲くらいでした
河津桜は低温時に咲くため、ソメイヨシノなどに比べると花の中心が赤くなってからもすぐに散らず満開を保ってくれます。
河津桜の接写をするとき、満開に惑わされず、美しい桜をじっくり探して下さい。
2月17日現在、残念ながら美しい桜を探すのが難しくなりました。
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